2013/2/12
Peter Martin(左)
左側の老紳士に注目。ソフトに仕立てられたコットンポプリンであろうライトベージュの段返りサックスーツにおきまりのボタンダウンにニットタイ。足元にはダークなソックスにペニーローファー。初老を迎えてからこんなチャーミングな着こなしが出来るといいですね。
Fred Astaire(右)
F.アステアの着こなしは、ドレス・カジュアルを含め今日でも十分参考になります。彼特有のフィット感とバランスはダンスで鍛えた軽妙な所作と、あのサビルロウの老舗テーラー「アンダーソン&シェパード」も手伝ってか、最も柔軟なスーツスタイルを醸し出します。
Gianni Agnelli(左)
あのカラチェニで仕立てた上質なハンドメイドのスーツに、シャツはブルックスブラザーズのボタンダウンカラーをこよなく愛したそうです。確信犯的にボタンダウンカラーのシャツにすることで洒落者のみが持つ格式ばらず砕けすぎないフランクな雰囲気が漂います。
Christian Dior(右)
女性の美を追求したファッションモード界の大物。彼の創る曲線的でモードな婦人服とは裏腹に、彼自身のスタイルは紳士服史の酸いも甘いも知り尽くしたオーソドックス且つオーセンティックなスタイル。エレガントなフレンチカフに注目。
François Mitterrand(左)
洒落ようとしていない彼の背広姿は質実剛健に背広を着ることの迫力を感じます。お洒落としての着こなしではなく、必要性からくる着こなしの色気はなんとも形容し難い魅力を感じます。
Andy Warhol(右)
彼はいつもブルックスブラザーズのボタンダウンをダース買いしていたそうです。イメージ的にはかなりエキセントリックでポップなキャラクターに見えますが、身に付けていたものはほとんどトラディショナルでオーセンティックなものばかりでした。この写真のごく平凡な型のヘリンボーンのツイードジャケットも彼が着ると、どことなく風変わりなキャラクターへと変化します。
François Truffaut(左)
キャメルのカシミアのタートルにグレーフランネルのトラウザーズ。ごくさりげない平凡な合わせと、タバコを持つ所作がなんとも粋に決まっています。袖口をロールアップしてタバコをはさむあたり、なんともいなせです。彼流の気取りなんでしょうね。その昔、「アメリカングラフティー」の中でポール・ル・マット演じるジョンが真っ白なTシャツの袖にタバコをロールアップするのはみんな真似しましたよね。
George Bush (右)
ブッシュの親父さんは本格派のアイビーリーグスタイルできめてました。古い写真を見ると、アメリカンスタイルの正統を教えてくれます。衿元に結んだのはブリティッシュレジメンタルのシルクレップタイ。