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2014/7/4
「seer-sucker&bow-tie&panama hat」
1963年発行のニューヨーク(佐瀬隆夫 著)と言う古い書籍から印象に残った一文。
ある昼さがり、私はベントン・アンド・ボールスに勤めていた知人を、その五番街六六六番地にある新築のティッシュマン・ビルに訪れたことがある。その会社は、もと、マディソン街五五五番地にあったのだが、最近そのビルに引越して来たのであった。その男はブルックス・ブラザーズ製の白っぽい縞入りの夏服に、グリーン地に白玉の、いわゆるポルカ・ドットの蝶ネクタイをしめていた。身だしなみは満点である。宣伝・広告ではアピアランス、もっと俗な言葉いうと、フロントが大切だから、彼も特に身だしなみには気を使っているのだろうと思った。
この一文の中で男の身なりの説明のくだりがある。「その男はブルックス・ブラザーズ製の白っぽい縞入りの夏服に.......」この白っぽい縞入りの夏服と言うのは、」そう、シアサッカーで仕立てたサマースーツのことである。
この生地は、今日、夏服としてとてもポピューラーだが、1963年当時の日本ではこの呼び名はおろか、この手の生地は存在しなかった事が容易に想像できる。
このシアサッカーと言うニューヨーク生まれのサマースーツに袖を通しボウタイを整えパナマ帽を目深に被る・・・・・少々暑かろうが、身だしなみを整える事によって、気分が引き締まり、着る側も見る側も素敵な気分にさせてくれます。
2014/4/7
「Black&MidNightBlue Tie」
リノ・ヴァンチュラ、イヴ・モンタン、アラン・ドロン、他フランスを代表するノワール役者たちはスクリーンの中でもプライベートなシーンでも決まって仕立ての良いシックな背広服にこれまた平凡だが趣味の良い真っ白なシャツ、襟元に目をやると何となく結んだ黒か濃紺の無地のシルク・タイ。そこにあるのは、フランス人の言うシック“、日本人の言うイナセ”、アメリカ人の言うヒップ“などそこには機微をもってして得られるストイシズムを感じさせられます。
特に私が敬愛する一部のフランスの役者は身だしなみを整える際、色や柄は使わず、控えめにコーディネイトを徹底する事によって、より一層自身のパーソナリティが全面に出ることを熟知しているのだ。